ひょうごGENKI!農園(市民農園)

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市民農園を開設したい皆さんへ

開設マニュアル

開設者の声 〜「矢問農園」の巻

アスファルト舗装園路と農園
アスファルト舗装園路と農園

 川西市は、兵庫県の南東部に位置し、東は大阪府池田市と箕面市に、西は宝塚市と猪名川町、南は伊丹市、北は大阪府能勢町と豊能町に隣接している。東西に狭く、南北に細長い地形。気候は温暖で北部は山岳の起伏に富み、その一部は猪名川渓谷県立自然公園に指定されている。南部は平坦で、市の中心市街地はここに形成されている。
 川西市中心部からほど近い矢問(やとう)東町に日帰り型の市民農園「矢問農園」が開園したのは、平成19年4月1日。JA兵庫六甲が所有者11名から土地を借り受けて、猪名川沿いの竹林など約17,400平方メートルを市民農園として整備したもの。
 農園の東側には、猪名川を挟んで、ショッピングセンターやマンションが建ち並び、西側には住宅街。そんな、都会の喧噪をひととき忘れさせてくれるのが、「矢問農園」だ。
 1区画約24平方メートルの区画が440区画。駐車場(85台収容)、管理棟、農具庫、休憩スペース、トイレなどの施設を完備。アスファルト舗装された園路の両側には、整然と管理された農園が続く。
 大都市近郊の市民農園としては県内最大規模の「矢問農園」を管理する矢問農園管理組合の組合長 瀧本泰博さんに、話を聞いた。

市民農園を開設しようとしたきっかけ

矢問市民農園管理組合 瀧本組合長
矢問市民農園管理組合
瀧本組合長

 このあたりは一面の竹林だった。住民の高齢化のため、管理がいきとどかず、竹林は荒廃。鳥害などで周囲に悪影響も出始めた。「団塊の世代が大量退職の時期を迎えることもあり、この竹林のスペースを利用して地域の人たちの健康や生きがいづくりに役立ててもらおうと考えました。高齢者の活躍の場もでき、地域の人々が一つになって取り組めることを、と考え、稲作より収益率の高い市民農園の開設に踏み切りました。」と瀧本組合長。

市民農園整備の道のり

アスファルト舗装園路と農園
管理組合の皆さんと
JAの担当者(右端)

 市民農園の構想には3年をかけた。1年目にはまず手始めに朝来市や多可町八千代区の滞在型市民農園、神戸市北区の日帰り型の市民農園などを事例調査してまわった。
 2年目には、小さなモデル市民農園を開設。約300坪。農具庫、仮設便所、園路、上水道完備の「近代的貸し農園」。一区画20平方メートルで、年間2万円。50区画が満員になった。「自信がつきました。」
 3年目には、補助金の手続きにも時間がかかった。地元・川西市としても市民農園整備の補助金は初めてのケース。「だから、マニュアルがなかったんです。たくさんの方々のご指導とご協力のたまものです。」
 国庫補助事業を実施にするに当たって問題となったのが、自己負担金の財源。JAをを通じ県から利子補給が受けられる「豊から村づくり資金」を借り入れて対応することにした。事業の実施をしてゆくに当たり、JAが事業主体に。「JAの方が信用度が増して、よかった。」
 市は、補助金は出せない代わりに、事務手続きや広報をしてくれることになった。
 地元、JA、市、三者のスクラムがしっかりと組め、市民農園整備がスタートした。

事業費 91,375千円(うち補助対象事業費80,000千円)
国庫補助金 40,000千円
県補助金 7,200千円
JA 44,176千円

市民農園整備の苦労話

貯水槽
貯水槽

 こまった事は、この辺りは、大阪地層の堆積層で、猪名川のすぐそばにあるのに、水がでてこない。「20m×20mの深さ15mの貯水槽をつくり、表面水をためる工夫をしました。思いもよらぬ出費でしたが、今まで、断水は一度もありません。」

いざ市民農園開設へ

 「入園者440人。甘く考えていました。小さな小学校の規模でした。初めての入園者説明会では、JAの支店の会議室を1週間借り切って、抽選と契約の手続きを行ったほどです。」「入園者には、JAに口座を開設してもらい、年間利用料などはそれからの引き落としにしています。」
 利用者の8割が川西市内。尼崎市や宝塚市、西宮市などからの利用者も多い。年代別には61歳以上の「団塊の世代」が約5割を占める一方、30代8%、40代10%、50代27%となっている。
 開園1年で、入園待ちがたえず20〜25人の人気市民農園に。

入園者とのふれあい

 平成19年10月に、収穫祭を開催した。
 市民農園入園者相互の交流と周辺地域の市民の皆さんにも参加していただき、農園のイメージアップを図ることを目的に開催。
 この日の参加者は約600人。農園で作物を収穫するほか、「輪投げゲーム」や「ビンゴゲーム」などで楽しみ、「あいがもレース」も行われるなど、静かな農園に大きな歓声がわき上がり、参加した親子らは楽しい一日をすごした。

入園者へのサービス

 3月に夏野菜講習会、8月に秋野菜講習会、冬は1〜2月に土づくり講習会を開催。園内を4ブロックに分けて2日かけ、種苗会社の研究員を講師に迎え、無料で開いている。「講習会は手間がかかりますが、入園者にとっては付加価値になります。毎回、好評です。
 入園者の利便性を考えて、「水やり」代行や「耕耘」代行などのサービスも実施。
 「水やり」代行は、朝晩の水やりで一日500円。夏季を中心に50件ほどのニーズがあるという。「耕耘」代行は、1区画1万5千円。施肥、耕耘、畝立てがセットになっている。「女性入園者中心に20〜30件の依頼があります。」

入園者とともに

 農園利用者のボランティアで月1回、朝9時から11時頃まで「クリーンアップ」作戦を実施。共有部分の除草やどろあげが中心。「入園者の意識付けにも有効です。仲間意識も芽生えていいことだと思います。」トラブル解決には、開設者が仲介に入る必要がある。

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