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「手づくり納豆」で有名な池田剛康さん・幸恵さんは、12年前に西宮市から八千代町に引越ししてきた田舎暮らしの達人。働き盛りの30代に都会の喧騒を離れて、豊かな自然が残る八千代町に飛び込んだ。
田舎暮らしを始めた借家には畑がついていたものの、農業で生計がたてられるわけではない。地場の会社に就職するといっても、そう簡単には職場が見つからない。どうしたものかと考えていた時、ひょんなことから納豆で生計を立てることになった。
豆腐やら味噌やらさまざまな加工食品の中でも納豆は田舎での生産に非常に適していると幸恵さんは話す。そもそも、大豆は植物性たんぱく質がそのまま摂取できるため、食肉などと比べて効率化がよい。また、おからなどが残る豆腐などと比べて、納豆は製造中に発生する食品残渣が非常に少ないし、取り扱いもシンプル。 「このように自然の中で暮らし始めて、更に実感するようになったんですが、納豆づくりはとても田舎暮らしに適した仕事です。まさに田舎暮らし夢の仕事!」
ストレスの多い人間関係に疲れ、自然に囲まれた田舎暮らしに憧れる人は多いが、田舎には今なお地縁に根ざした人間関係が色濃く残っており、都会とはまた違った人間関係の構築が必要となる。 「引越してきた時は、知らないことばかりなので、ご近所さんによく聞きに行きました。親しくなるきっかけとなったのは、お葬式。田舎だとお葬式は1〜2日かけ集落で準備します。その間に、いろいろと話もできました。また、公民館活動やボランティア活動などのも積極的に参加したので、そこでも友人、知人が増えました。」 漠然と田舎暮らしに憧れているけど、一歩が踏み出せない人は数多い。収入源、家族、人間関係…。不安材料をあげればきりがない。
もう一方で、支出についても考えるべき。私達の場合は、西宮にいる頃から、お金をかけない暮らしを心がけてきたし、食べられる植物について勉強したり、自分で加工食品を作ったり、自然観察会に参加したり、充分に予習してきました。このように、街の中に住んでいても、できることはたくさんある。」 「子供たちより問題はむしろ私達で、年をとってから住環境を変えるのはつらい。余生を田舎で暮らしたいと相談に来る人もいるが、環境を変えるなら若い間でないと難しい。特に、農業経験のない人ならおなさら。 子供たちがかわいそうという人もいるけど、家庭の中でお母さんが元気なら、きっと子供たちはついてくる。引っ越してきた当時、主人が38歳、長男が小学校4年生、次男が小学校3年生。子供たちに親の働いている姿を見せたかった。」 八千代町での田舎暮らしを満喫する池田夫妻は、自分達の体験を伝え一緒に楽しみたいと、百姓くらぶという活動も続けている。
数年前から毎月都会の人たちと一緒に、百姓くらぶという活動を続けています。味噌を作ったり、田植えや稲刈り、畑仕事をしたり。自然との関わり方は千差万別です。週末だけなのか、私達のように思い切って田舎暮らしを始めるのか。自分にあった環境を見つけるのはそう簡単ではないから、いろいろな体験やら経験をしてほしいですね。」 (2004年取材内容) |